国や自治体などから様々な補助金が提供されている中、自動車の購入費用が補助対象となるケースもあり、個人のほか企業が利用できる施策も少なくありません。そこで今回の記事では、車の購入で利用できる国の補助金について詳しくご紹介します。起業、事業の継続や成長のためなどで車の購入が必要な事業者の方は参考にしてみてください。

1 自動車購入で利用できる補助金制度

自動車購入で利用できる補助金制度

事業用の自動車の購入が補助対象となる主要な制度を紹介します。

1-1 CEV補助金

CEV補助金

電気自動車等の導入促進を目的として提供されるのが「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」です。2010年までは「エコカー補助金」の名称でしたが、現在では対象車種も変わりCEV補助金として運用されています。

補助対象者は、対象車を購入する個人、法人等です。補助対象の基準は、「令和4年11月8日以降に新車新規登録(登録車)または新車新規検査届出(軽自動車)された自動車」です。従って、令和4年11月7日までの新車新規登録(登録車)または新車新規検査届出(軽自動車)は本補助金の対象外になります(※初度登録の自家用車両に限定等)。

なお、電気自動車や燃料電池自動車等は外部給電機能を備えている場合、災害時の非常用電源として活用の協力を求められる可能性があります。

●電気自動車等の購入費を補助(一部)

車別 令和4年
ベース 最大(条件付き)
EV 65万円 85万円
軽EV 45万円 55万円
PHEV(プラグインハイブリッド自動車) 45万円 55万円
FCV(燃焼電池自動車) 230万円 255万円

●*ほかに、超小型モビリティ(~2人乗り)、クリーンディーゼル車やミニカーなども対象です。

1-2 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が補助事業計画等を作成して取り組む、感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるポストコロナにも対応可能な新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組を支援する制度です。

補助対象者は、小規模事業者(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)は5人以下、その他のサービス業と製造業は20人以下)等となります。

補助対象の用途は、機械装置等費、広報費、展示会等出展費(オンライン展示会等)、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、設備処分費、委託費、外注費、感染防止対策費です(*車両では、移動販売等に使用される「キッチンカー」などが対象になります)。

なお、小規模事業者持続化補助金の<一般形>などでは、通常の自動車等車両は補助対象外です(ブルドーザー等の一部は補助対象)。

補助対象は制度の目的に合致する事業で、「店舗販売から移動販売へのシフト」などが該当し、補助上限100万円、補助率3/4となります。

なお、感染防止対策費については、補助金総額の1/4(最大25万円)を上限に補助対象経費に計上することが可能です(補助上限額100万円への上乗せ不可)。

1-3 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金

二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金

トラックまたはバスの運行によるCO2の排出削減による地球環境の保全を目的として、環境配慮型先進トラック・バスを導入する事業への補助金です。対象者は、トラックやバスを事業の用に供する者、トラックまたはバスの貸渡し(リース)を業とする者、になります。

補助対象の用途は、以下の「環境配慮型の先進トラックまたは先進バスおよび充電設備を導入する事業」です。

  1. 電気自動車(PHEVを含む)
  2. ハイブリッド自動車(重量ごとに燃費改善効果の要件あり)
  3. 天然ガス自動車
  4. 充電設備

自動車の補助基準額は、補助対象となる環境配慮型先進自動車と同クラスの標準的燃費基準自動車との価格差額の2分の1(ハイブリッド自動車・天然ガス自動車)または3分の2(電気自動車(PHEVを含む))になります。

1-4 地域雇用開発助成金<地域雇用開発コース>

地域雇用開発助成金

雇用情勢の厳しい地域等で、事業所の設置・整備に伴い地域の求職者等を雇い入れた事業主に対して支給する助成金になります。対象者は、設置・整備した施設の雇用保険適用事業主等です。

対象経費は、工事費、購入費(動産・不動産)、賃借費などです。1点の支払額が20万円以上の動産の購入費用には、機械、装置のほか、車両(事業用)も含まれます。

補助要件は、対象地域に雇用保険の適用事業所を設置・整備し、それに伴い、その地域に居住する求職者を一定の条件で雇用した場合、設置・整備の費用と増加人数に応じて、一定の金額が助成されます。

また、同制度を利用するには、申請時に取組の計画書の提出が必要です(管轄労働局長へ提出)。「地域の雇用拡大のために必要な事業所の設置・整備を300万円以上行う」、「要件を満たす労働者を雇い入れ、3人(創業の場合は2人)以上増加させる」などの要件を満たす必要があります。

審査後、事業所設置等の費用と雇用で増加した労働者数に応じて助成されます。例えば、「設置・整備費用」が「300万円以上1,000万円未満」で、「労働者の増加人数」が「3(2)~4人」の場合、助成額は「基本」で48万円、「優遇」で60万円です(状況により上乗せあり)。

2 自動車購入で利用できる補助金の注意点

自動車購入で利用できる補助金の注意点

車の購入で利用できる補助金の注意点も併せて確認しましょう。

2-1 予算切れで申請受付は終了

執行中の補助金制度でもその予算がなくなれば、申請期限内でも受付が終了するため、早めに申請することが重要です。

補助金によっては、計画等の資料の提出および申請に対する審査もあるため、申請にあたっての適切な準備も必要ですが、それにあまり時間をかけすぎると上記のように予算がなくなってその補助金へ申請できなくなるため注意しましょう。

2-2 補助金制度の変更の可能性

各補助金制度は、その目的が達成されれば次年度には執行されなくなります。また、その目的に変化が生じれば、制度内容にも変化が起こり前年度の内容と異なることも少なくありません。

例えば、以前の「エコカー補助金」は現在では「CEV補助金」へと変わり、補助対象となる車両のタイプや補助金額なども変化しています。また、同じ補助金制度であっても年によって内容が変更されるケースも少なくないため注意しましょう。

2-3 補助対象は主に新車購入

車両購入が対象となる補助金の場合、その大半は新車購入が条件となっています。つまり、中古車や新古車は補助対象とならいケースが多いため注意が必要です。

例えば、クリーンエネルギー自動車に該当するPHEVであっても中古車なら補助対象外になり得るため、補助要件をしっかり確認しましょう。

2-4 自治体等の補助金の活用

車両が補助対象となる施策は、自治体等からも多く提供されているため、利用を検討しましょう。例えば、東京都では「EV補助金」が実施されており、EVの場合事業者には通常で37万5千円の補助金が交付されます(国の補助金の利用も可能)。

また、他の補助金制度で車両が補助対象でないケースでも車両に搭載する機器等が対象となるケースも多く、活用できれば資金の節約に有効です。

3 まとめ

自動車購入で利用できる補助金

企業が導入する自動車の購入も補助金の対象となるケースがあります。クリーンエネルギー自動車や特定の用途に限定されるなどの制約はありますが、利用できるケースは少なくありません。企業等が自動車を購入する際は、資金調達に役立つ補助金の利用を検討してみてください。