新築住宅購入希望の子育て・若者夫婦世帯が押さえておきたい2023年実施の「こどもエコすまい支援事業」をご存知でしょうか?

補助金100万円を受けとる事ができるこの補助金制度について、事業の詳細を紹介していきます。

1:こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業

この「こどもエコすまい支援事業」は、2023年から本格的に実施される補助金制度です。

2022年にも実施されていた、「こどもみらい住宅支援事業」に続くもので、前回と同様に“子育て世帯”“若者夫婦世帯”をターゲットとした住宅購入支援事業です。

1.1事業概要

先述のとおり、“子育て世帯”や“若者夫婦世帯”をターゲットとした住宅購入支援事業です。

「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」のいずれかの住宅取得が対象であり、

  1. 所有者自らが居住する住宅であること
  2. ZEHレベルの住宅で、延べ面積が50㎡以上あること

↑上記2点の要件をクリアしている必要があります。

なお、中古住宅や完成から1年以上が経過した建売物件などの未使用住宅の購入は補助対象外となりますので注意しましょう。

1.2補助対象者

新築住宅の取得層となる世帯がメインターゲットになってはいますが、18歳未満の子供がいる場合には40代や50代の世帯でも補助金支給の対象となります。詳細は以下の通りです。

◆子育て世帯

申請時点で、子を有する世帯を指します。

対象となるこどもは18歳未満(平成16年(2004年)4月2日以降出生)と定められています。

◆若者夫婦世帯

申請時点で夫婦であり、令和4年4月1日時点で夫婦のうちいずれかが39歳以下(昭和57年(1982年)4月2日以降出生)の世帯が対象です。

交付申請の時点での年齢ではなく、令和4年4月1日時点での年齢で判定される点がポイントです。

1.3補助金額

受けとることのできる補助金の金額は1戸あたり定額で100万円です。

購入する住居が下のいずれかの環境性能レベルを満たしている必要があります。

①ZEH

  • ・ZEH
  • ・Nearly ZEH
  • ・ZEH Ready
  • ・ZEH Oriented

②認定住宅

  • ・認定長期優良住宅
  • ・認定低酸素建築物
  • ・性能向上計画認定住宅

2:対象となる物件

対象となる物件

先述の通り、こどもエコすまい補助金の対象は「新築の注文住宅」「新築の分譲住宅」のいずれかの購入です。

更に「①ZEH」「②認定住宅」の条件を満たす必要がありますが、これらについてもう少し詳しく見ていきましょう。

2.1対象住居

◆注文住宅

工事請負契約を結ぶ注文住宅が対象です。注文住宅の場合には工事請負契約を締結するのが通常ですが、取引先がハウスメーカーや工務店ではなく不動産会社の場合には“売建住宅”といったジャンルなどで契約方法が異なる場合があるので注意しましょう。

◆新築分譲住宅

新築の分譲住宅の購入が対象となり、以下の条件項目を全て満たしている必要があります。

  • a:売買契約締結時点で、完成から1年以内の住宅であること
  • b:人の居住の用に供したことのない住宅であること
  • c:宅地建物取引業免許事業者から購入する住宅であること

2.2契約スケジュール

2023年から開始する「こどもエコすまい補助制度」ですが、補助金を受け取るためのスケジュールは既に細かく定められています。

住居購入を検討している場合は、スケジュールを確認して購入計画を立てるようにしましょう。

◆工事着工

令和4年11月8日以降着手
対象工事:基礎工事より後の工程工事

◆工事完了期限

以下の期限までに住宅の引渡し・入居を行い、完了報告を提出

  • ・戸建住宅 →令和6年7月31日
  • ・共同住宅等で階数が10階以下→ 令和7年4月30日
  • ・共同住宅等で階数が11階以上→ 令和8年2月28日

2.3交付申請期限

住宅購入のスケジュールと同様に気を付けておきたいのが「交付申請期限」です。完了報告の期限だけではなく、補助金の交付申請を起点とした建築スケジュールの調整も重要となりますので注意しましょう。

◆交付申請期限

令和5年3月下旬~令和5年12月31日(予定)

  • ※ 申請時点で工事の進捗が補助額以上の出来高に達している必要があります。
  • ※ 申請の締め切りは予算の執行状況に応じて公表があります。
  • ※ 交付申請又は予約申請までに事業者登録の必要があります。

3:住居性能

住居性能

「1.3補助金額」の項目でも触れましたが、こどもエコすまい補助金の申請条件にマッチする住宅は指定の環境性能を満たしている必要があります。

これがいわゆる“ZEHレベル住宅”で、このZEHレベル住宅には①ZEH住宅と②認定住宅の2種類があります。

①「ZEH住宅」補助対象

  • ・ZEH
  • ・Nearly ZEH
  • ・ZEH Ready
  • ・ZEH Oriented

②「認定住宅」補助対象

  • ・認定長期優良住宅
  • ・認定低酸素建築物
  • ・性能向上計画認定住宅

3.1ZEHとは

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス ※通称ゼッチ)の特徴は、エネルギー収支が0であることです。

「高断熱」「高気密」で省エネ性能を高めて快適な室内空間を保ちつつ、高効率な設備でエネルギーを無駄なく効率よく使い、更に太陽光発電や燃料電池などで消費分のエネルギーを蓄えることでプラスマイナスがゼロになるような、そんな住居です。

正式なZEH住宅の定義としては「住居で消費するエネルギーを従来から20%以上削減し、さらには消費量と同量のエネルギーを発電等で補う」こととしています。

先述の①「ZEH住宅」補助対象でいくつかの種類があるとおり、ZEH住宅は太陽光発電等の再生エネルギーの創出能力の違いによって、いくつかのレベルに分けられています。最上ランクのZEHがエネルギー削減率100%(消費エネルギーと同量のエネルギーを創出)と定められ、以下、エネルギー削減率や住宅環境によってレベル分けされています。

とはいえ、「こどもエコすまい補助制度」はこれらすべてのZEH住宅が対象となっているので安心です。

3.2認定住宅とは

②「認定住宅」補助対象として挙げたいくつかの対象住宅についても詳細を見てみましょう。

<認定長期優良住宅>

省エネルギー性能や耐震性能、劣化対策や維持管理容易性などに優れた長期的に安心して暮らすことのできる住宅の基準に達していると認定された住宅がこれに当たります。

認定を行うのは建設地を所轄する行政庁であり、“お墨付き省エネ住宅”と思っていただければ良いでしょう。

<認定低酸素建築物・性能向上計画認定住宅>

これらは、高い断熱性・高効率設備の導入といった措置が講じられた省エネルギー性能に優れた住宅基準に達していると認定された住宅です。認定長期優良住宅と同様に、建設地を所轄する行政庁が認定を行います。

「こどもエコすまい補助制度」の申請対象となるためには、それぞれの“認定通知書”を発行している必要があります。2022年10月1日以降、基準が新しくなっているので新基準の要件に対応している必要がありますから注意しましょう。

4:手続きの方法

手続きの方法

これまで、「こどもエコすまい」の補助金を受けとるための条件や具体的なスケジュールについて紹介してきましたが、最後に具体的な申請方法について確認しておきましょう。

4.1申請窓口

「こどもエコすまい補助制度」の事業自体は国土交通省の施策ですが、実際の申請窓口は、補助事業者となる<建築事業者>あるいは<住宅販売会社>となります。なお、補助事業者は交付申請の前に補助事務局に“事業者登録”を行っている必要があります。

全ての申請は基本的にこの補助事業者が行う為、住宅購入者ご自身での申請手続きは必要ありません。

給付される補助金は一旦補助事業者が受領し、最終的に住宅購入者に還元されます。

4.2他補助金との併用

住宅購入においては、同時期に色々な補助制度が存在している可能性もあります。それらの併用については、制度の種類によって可否が異なりますので注意しましょう。

代表的なもので言うと、「地域住宅グリーン化事業」「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」など、国の施策である他補助事業とは併用ができません。同様に地方公共団体が実施している補助制度に関しても、国の費用が充当されている前提となるため基本的には併用が難しいと言えるでしょう。

5:まとめ

「こどもエコすまい補助制度」を利用した補助金

いかがでしたでしょうか。ここでは、2023年から本開始となる「こどもエコすまい補助制度」を利用した補助金について詳しく紹介しました。

住宅購入に関する補助金は色々とありますが、申請期限や条件なども複雑な上、毎年名前を変えて出てきたり、期間が延長したりと非常に複雑です。これから新規に住宅を購入予定の方は、是非色々な情報を集めて漏れなく補助制度を活用してみて下さいね。