新しいスキルや知識の習得など、社会人になっても就職後に専門的な知識を必要とする機会は少なくなく、学ぶことは長く終わる事なく続いていきます。

とはいえ、自分の将来のために自己投資を惜しまないのは素晴らしいことですが、経済的な負担はつきまとうもの。意欲があっても、経済的な理由で学びを諦めてしまうのはとても勿体無いことだと言えます。

そんな社会人の学び直しに活用できる給付金があることをご存じですか?

実用的なスキルアップのためにかかる費用の一部を負担してくれる「教育訓練給付金」という制度について紹介していきます。

1:教育訓練給付金とは

教育訓練給付金とは

では早速、社会人の「学び」や「学び直し」等に活用できる給付金について解説していきます。

今回紹介する「教育訓練給付金」では、社会人が知識の習得やスキルアップをする際に講座の受講料の一部について助成を受けることができます。

対象となる講座は、およそ14,000講座と非常に多く、学ぶことのできるジャンルも多岐に渡ります。身につけられる内容やスキルのレベルによって「一般教育訓練」、「特定一般教育訓練」、「専門実践教育訓練」の3つに分けられます。

対象となる条件や支給される金額はそれぞれ異なるため、順番に解説していきます。

2:一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を受講・修了した場合に、本人が支払った教育訓練経費の20%(上限10万円)について、ハローワークから助成を受けられる制度です。

対象となるのは、雇用保険に1年以上加入している人(2回目以降の受給は3年以上加入)で、正社員のみならずパートやアルバイトでも雇用保険に加入していればOKとされています。

なお離職した場合でも、離職日から受講開始までが1年以内であり、前出の期間、雇用保険に加入していれば対象となります。

気になる対象講座ですが、非常に多岐にわたるジャンルが用意されており、自分が学びたいものを選ぶことができるようになっています。

  • ・TOEIC
  • ・簿記検定
  • ・医療事務
  • ・WEBデザイン
  • ・宅地建物取引士
  • ・ファイナンシャルプランナー
  • ・インテリアコーディネーター

このような講座が特に人気が高く、自分で学ぼうと思うとそれなりの負担・時間を要するものも沢山設定されています。

上記以外にも様々な講座が支給対象となっており、中には今後の転職活度を優位に進められそうな資格を取得できるものもあり、自分の市場価値を高めるためにも、この制度を有効に活用しない手はないと言えるでしょう。

<↓対象の講座一覧はこちら↓>
https://www.mhlw.go.jp/content/001186018.pdf

なお、申請にあたってはお近くのハローワークに書類を提出する必要があります。申請期間は受講修了日の翌日から1ヶ月以内と短いため、提出が遅れないよう注意が必要です。

支給申請の詳細については、お近くのハローワークに予め確認しておきましょう。

3:特定一般教育訓練給付金

特定一般教育訓練給付金

特定一般教育訓練給付金は、労働者の速やかな再就職や早期キャリア形成に役立つ講座が対象となっている制度で、本人が支払った受講費用の40%(上限20万円)について、ハローワークから助成を受けられる制度です。

対象となるのは、一般教育訓練給付金と同じく雇用保険に1年以上加入している人で、離職した場合も、離職日から受講開始までが1年以内であり、前出の期間、雇用保険に加入していれば対象となります。(2回目以降の受給は雇用保険に3年以上加入している必要があります)

対象講座について、具体例を挙げます。

  • ・社会福祉士
  • ・介護福祉士
  • ・介護支援専門員
  • ・大型自動車第一種・第二種免許
  • ・大型特殊自動車免許
  • ・社会保険労務士
  • ・行政書士
  • ・プログラミング(C言語ほか)

上記のとおり、「これがあれば仕事に困らない」といった資格が多くを占めており、一般教育訓練給付金と比較して、専門的な知識・技能を習得するため、助成率が倍になります。

国としては、市場価値の高い資格を取得してもらい、今後の就職や転職を有利に進めてほしいという狙いがあるのでしょう。

40%の助成を受けつつ、市場価値の高い資格を取得して、今より好待遇の仕事に転職をするための学びとして補助制度を有効に活用しない手はありませんね。

先述の講座以外にも様々な資格取得が対象となっていますので、最新情報をご確認ください。

<↓対象の講座一覧はコチラ↓>
https://www.mhlw.go.jp/content/001186018.pdf

申請にあたっては、注意点があります。

特定一般教育訓練給付金を受け取るためには、事前にハローワークでキャリアコンサルティングを受け、「就業の目標」「職業能力の開発・向上に関する事項」を記載した”ジョブカード”の交付を受ける必要があります。

お近くのハローワークで予約ができるため、一度問い合わせを行うと良いでしょう。

また、一般教育訓練給付金と同様、申請期間は受講修了日の翌日から1ヶ月以内と短いため、提出が遅れないように注意が必要です。

支給申請の詳細については、お近くのハローワークに確認しておきましょう。

4:専門実践教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金は、労働者の中長期的なキャリア形成に役立つ講座が対象となっている制度で、本人が支払った受講費用の50%(上限40万円)について、ハローワークから助成を受けられる制度です。

前出の2つの制度とは異なり、訓練期間中6ヶ月ごとに支給申請を行うため訓練中も支給を受けられる点が特徴です。

対象となるのは、雇用保険に2年以上加入している人で、離職した場合も、離職日から受講開始までが1年以内であり、前出の期間雇用保険に加入していれば対象となります。(2回目以降の受給は雇用保険に3年以上加入している必要があります)

対象講座について、具体例を挙げます。

  • ・歯科衛生士
  • ・理学療法士
  • ・精神保健福祉士
  • ・航空運航整備士
  • ・キャリアコンサルタント

上記のとおり、専門学校に通って取得するものが想定されています。

なお、資格を取得したのち、修了日の翌日から1年以内に一般被保険者として雇用された場合には、受講費用の20%にあたる追加支給を受けることができます。つまり、最大で訓練費の70%を受け取ることができるということになります。

申請にあたっては、特定一般教育訓練給付金と同様、ハローワークでキャリアコンサルティングを受け、”ジョブカード”の交付を受ける必要があります。

支給申請の詳細については、お近くのハローワークに確認するようにしてください。

5:まとめ

教育訓練給付金の活用

  • 「今より好待遇の仕事に転職したい」
  • 「ずっとやってみたかった仕事に就きたい」

こういった思いを抱えているならば、教育訓練給付金を活用することで、自己負担を抑えて資格やスキルを身につけることができます。お住まいのエリアのハローワークで詳しく話を聞く事もできますので、社会人の学び直しに活用できるそれぞれの給付金を上手く利用し、自身のスキルUPに役立ててくださいね。

※本記事の情報は執筆時点(2023年2月現在)の情報です。申請時には最新情報をお調べください。