エコが求められている現代では、高省エネ化のエアコンが多く発売されています。それらのエアコンや空調設備の導入時に活用できる補助金や助成金があることをご存じでしょうか。今回の記事では、エアコンや空調設備に関する補助金や助成金の種類をご紹介するので、参考にしてみてください。

1 大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業

大規模感染リスクを低減するための高機能換気設備等の導入支援事業

新型コロナウィルスの影響によって不特定多数が集まる施設等に、密閉空間とならないよう換気能力が高く、及びCO2排出を削減する高機能な換気設備等の導入を支援するための補助金を支給する制度です。環境省が管轄をしており、一般社団法人静岡県環境資源協会が執行をしています。

「不特定多数が集まる施設等」とは、事務所、ホテル、病院や老人ホーム、スーパー等の店舗、学校、飲食店、図書館の集会所等などを指します。この補助金制度は、上記の建物に高効率なエアコン等を更新(新築、またはスケルトン建物等は対象外)したり、全熱交換型の換気設備を導入(新設、更新、追加)したりすることによって、対象室内を現況の換気量以上の換気量とし、導入後及び改修後のCO2排出量を削減することを支援します。

なお、不特定多数が集まることを想定していな建物(例えば住宅)や、工場や倉庫等の開放性が高く換気を必要としない施設は当事業の対象外となります。

申請対象は、民間企業や個人事業主、独立行政法人、地方独立行政法人、学校法人、社会福祉法人、医療法人、一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人、地方公共団体、その他大臣の承認を得て補助事業者が適当と認める者です。

補助対象となる経費は、前述の設備の導入費、または更新をするための必要経費(本体費用、設置工事費、付帯工事費、事務費等)となります。

上記の経費を設備費と工事費の2つに区分をして補助金額の算定を行うことになります。補助金額はこれらの経費の3分の2の金額となり、上限は2000万円となります。また、設備費に関しては「熱交換率40%以上」等を満たすことが申請の要件となります。

当事業に採択された場合、工事の完了実施後30日以内または2月10日までのどちらか早い日付に完了報告を行います。補助金は3月末までに支払われ、事業完了後1年で事業報告書の提出が義務付けられています。

当事業は令和3年度の補正予算事業となり、三次公募期間は令和4年7月25日~令和4年8月31日となっていました。三次公募の採択結果も公表されており、株式会社から社会福祉法人、病院まで幅広く採択されています。

2 先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金

先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金

この補助金は、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)を執行団体とする、高効率エアコンの導入等の4つの事業よって構成された国内の営利法人及び個人事業主を対象とする制度です。

4つの事業とは、「A 先進事業」「B オーダーメイド型事業」「C 指定設備導入事業」「D エネマネ事業」です。Aの先進事業とは、先進的な省エネ設備等への更新等を支援するための事業です。Bのオーダーメイド型事業は、個別設計が必要な設備やプロセスの改修による省エネに対する取り組みの支援を行うものです。

Cの指定設備導入事業では、高省エネ性能のユーティリティ設備への更新に対して支援を行います。Dのエネマネ事業では、エネマネ事業者との間でエネルギー管理支援サービスを締結して、より効果的な省エネへの取り組みとなるように支援を行います。

Cの指定設備とは、高効率空調、業務用給湯器、高性能ボイラ、高効率コージェネレーション、低炭素工業炉、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、調光制御設備、生産設備、工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシン等を指します。

A、B、Cは単独申請の他にも、他事業と組み合わせて申請することも可能です。また、A、B、Cのいずれかの事業区分にDを加えて申請することも可能です。

補助対象の経費は、A、B、Cが設備費で、Dでは設計費、設備費、工事費となります。A~Dの4事業ごとに省エネ率、省エネ量等の達成の要件があります。例えばAでは、省エネ率が30%以上、省エネ量が1000kl以上、エネルギー消費原単位改善率15%以上という要件となります。

補助率や補助金額も4事業ごとにそれぞれ設定されています。例えばBの補助率は、中小企業者等の場合は10分の10以内、大企業等の場合は4分の3以内です。Bの補助金には限度額が定まっており、上限が15億円/年度、下限が事業実施年数×100万円となります。

申請が通った暁には、中間報告と完了報告が必須となります。中間報告では着工前の写真の提出と補助金振込口座の登録を行います。

完了報告は、事業完了日から30日以内又は2023年2月6日のいずれか早い日までに、実績報告書及び補助事業の実施体制に関する資料を提出することによって行います。また、設備の稼働後には、省エネルギーの実績を執行団体であるSIIに報告することになります。

公募期間は、2022年5月25日〜同年6月30日までで、同年8月31日には交付決定案件の一覧がSIIのHP上にて公開されました。

3 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間建築物等における省CO2改修支援事業)

二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金

この補助金は、一般社団法人静岡県環境資源協会を執行団体とする既存の民間建築物等に、省CO2性の高い設備を導入して低炭素化の促進を支援することを目的とする制度です。「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業)」という補助金事業の一部であり、その他の補助金事業と合わせて二酸化炭素の排出抑制を促進するものです。

事業名にある「民間建築物等」とは、既存の事務所、ホテル、病院や老人ホーム、スーパー等の店舗、学校、飲食店、図書館の集会所等などになります。住宅等の個人の建築物や工場や倉庫等の開放性の高い建物は対象外です。

申請対象は、民間企業、独立行政法人、学校法人、社会福祉法人、医療法人、一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人、その他環境大臣の承認を得て補助事業者が適当と認める者となります。

補助対象となる設備には、エアコン等の空調設備や給湯器等の給湯設備、換気設備、電気設備、再生可能・未利用エネルギー利用設備等があります。

補助対象となる経費区分は設備費、工事費、事務費の3つとなり、補助金の交付額は補助対象経費の3分の1(上限5000万円)となります。

公募期間は令和4年6月6日〜同年7月15日であり、当事業に採択された場合は交付決定日以降に事業を開始することになります。そして、令和5年2月20日までに事業及び支払を完了することとされています。

4 まとめ

エアコン・空調設備の購入に使える補助金や助成金

今回の記事では、エアコン・空調設備の購入に使える補助金や助成金を見てきました。これらの補助金事業は公募期間が定まっているものであり、そのため公募期間が終わっているものがありますが、次年度にも同事業が実施されることがありますので、設備投資を行う際には必ず公募期間を確認するようにしてください。